地元で働く。専門性を磨いて、お世話になった方に恩返しを
一緒に暮らす家族がリハビリを通して元気になる姿を見て、理学療法士に興味を持った大宮さん。理学療法士になった彼女は「自身の存在価値を高めるため専門性を磨きたい」と考え、那須北病院(旧 那須脳神経外科病院)へ就職をします。生まれ育った地元でお世話になった方への恩返しを胸に日々働く彼女に、那須北病院で働く魅力、今後の目標などお話をうかがいます。
▼目次
私が那須北病院を選んだ理由
当院で経験できること
働く環境
目指すセラピスト像
私が那須北病院を選んだ理由
― 理学療法士との出会い
中学生の時、私の祖父がパーキンソン病になってしまってリハビリに通い始めたのが、理学療法士の仕事を知ったきっかけです。祖父はデイケアに通っていたのですが、「今日はこんなことをやったよ」と私によく話をしてくれました。パーキンソン病は進行性の病気なのですが、リハビリを続けることで動作も維持できていて、デイケアに通うようになってからの祖父はとてもイキイキとしていました。
『リハビリの仕事は、病気になってしまってからの生活を良くするお手伝いができ、人の気持ちを前向きにしその人の人生を明るくできる仕事なんだ』と理学療法士の仕事に興味を持った私は、実際にリハビリの現場を見たくて中学生の時には1人で職業見学にも行きました。そこで改めて『かっこいい仕事だな』と感じました。病気になって落ち込むばかりではなくて、病気になっても「頑張ろう」と思えるような人生を送ってもらいたい。私が『先生』と呼ばれるようになって、前向きになれる人を増やしたい。そんな思いを胸に、理学療法士になることを決意しました。
― 那須北病院を選んだ理由
実習の時に、脳卒中の患者さんを担当させていただく機会がありました。実はそれまでは脳疾患に対して『難しい』と苦手意識を持っていたのですが、実習期間中に脳疾患の患者さんが毎日リハビリをするにつれて良くなっていく姿、最終的には自分の足で歩いて帰って行かれる姿を目の当たりにして、すごく感動しました。そこには、理学療法士としての存在価値をすごく感じることができ、私も『脳疾患の専門性を磨きたい』と考えるようになりました。
理学療法士の世界は、資格保有者数が年々増えています。私は『何か専門性を磨かなければ、生き残っていけないのではないか』と考えていました。そういった思いもあり、脳疾患を専門とする那須北病院への就職を希望しました。
また『地元で働きたい』という思いも強くありました。今までいろんな方々にお世話になってきて、これからは私が恩返ししていきたい、理学療法士として地元で働きたいとずっと考えていました。
当院で経験できること
― 工夫が求められるからこそ、やりがいを感じられる
脳疾患の場合、どうしても麻痺が残ってしまうケースが多くあります。退院後も、患者さんは麻痺が残った状態で生活していかなければいけません。入院している期間中に私たちセラピストの技術でどれだけ動作を良くしてあげられるかで、退院後の生活の質が変わってきます。また、私は『家に帰ってからもリハビリは続いていく』と思っています。退院後も自宅でできるリハビリの運動を考えて患者さんやご家族に指導したりもします。一人ひとりの『退院後の生活』に寄り添って考えて、一人ひとりに合わせて工夫をしたリハビリが求められます。そこに理学療法士としての醍醐味を感じることができます。
― 担当セラピストとしての責任感
働き始めて半年ほど経ちますが、受け持ち患者さんが増えていく中で、一人ひとりの患者さんの病気に向き合っていくには、もっともっと勉強をしなければいけないと感じています。『この患者さんの病気に対してはどういったリハビリが効果的だろう?』『自分が今やっているリハビリは、本当に合っているのだろうか?』と毎日考えます。また担当セラピストになるということは、自分が患者さんの病気全体のことを理解してリスクの管理にも気を配っていく必要があります。血圧をチェックし、健康状態を把握した上で安全なリハビリを心がける。実習や先輩について見学していた時に比べると、頭をフル回転させなければいけません。担当セラピストとしてやりがいも感じますが、責任も重たいと実感しています。
働く環境
― 新人セラピストが独り立ちするまで
入職して最初の1ヶ月間は、先輩セラピストに付いて回って見学をさせてもらいます。1週間ごとに担当の先生が代わるので、人によって工夫している点などが違い、多くを見て学ぶことができます。2ヶ月目からは1人2人と患者さんの担当を割り振ってもらって、先輩がお休みの日には自分が1人でリハビリをする機会があり、少しずつ実践での経験を積んでいきます。カルテを見れば先輩がどういった計画で日々どんなプログラムを組んでいるかは分かりますので、それをベースにしながら自分でもリハビリの内容を考えてやっていきます。4ヶ月が経った7月頃には独り立ちをして、5名ほどの受け持ち患者さんを担当させてもらいます。那須北病院には急性期病棟と回復期リハビリテーション病棟があり、両方の患者さんを担当することができます。
勉強会は、週に1回プログラムされており、知識・技術をインプットする場も多くあります。
― 当院の働きやすさ
那須北病院のリハビリテーション部は「シフト制」の勤務形態です。自分が好きな日に休みを希望することができるため、私にとってはプライベートも充実できてとても満足しています。その分、日曜日や祝日に出勤することもありますが、ほぼ希望通りの休日でシフトを組んでいただいています。小さなお子さんがいらっしゃる方とかだと土日祝は休み希望の方もいますし、私のように休みたい日を自由に選びたいスタッフもいるので、協力し合いながら切れ目のないリハビリ体制を組んでいます。
もう一つのおすすめポイントは、先輩達がとても優しいことです。スタッフ間の距離がとても近く、丁寧に教えてくださいます。患者さんのことで困ったことがあれば相談に乗ってくれるのはもちろんですが、書類作りといった管理業務も多くあり、私は慣れるまでは残業しないと終わらない時もあったのですが、先輩が一緒に残って手伝ってくれました。新卒の方でも、安心して働ける職場環境だと思います。
目指すセラピスト像
― 大切にしている価値観
『患者さんの希望を叶えてあげたい』ということを一番に考えています。『家に帰って1人で入浴できるようになりたい』とか『杖なしで歩けるようになりたい』といった目標があるから、患者さんも長いリハビリ生活を頑張れます。支える側の私も、ただ漠然と体を動かすリハビリをするのではなく、家に帰ってからの生活の質につながるリハビリを第一に考え、工夫するように心がけています。
小さなことではありますが、自宅での生活環境にできるだけ近づけるように病室のレイアウトを変えてリハビリを行ったりします。例えば自宅でお風呂に入ることを想定して、お風呂にあるような低い椅子からの立ち上がりの練習をしてみる。それができるようになると『家に帰っても自分でできる!』という自信につながります。リハビリの先にある『こんな生活を送りたい』という思いにしっかりと目を向けて、リハビリを行うことを大切にしています。
― 今後の目標
私は、呼吸器疾患や循環器疾患のリハビリにも興味があります。実習の時に心筋梗塞の患者さんを見る機会が多くあり、そこでのリハビリテーションの内容にも興味を持ちました。脳疾患の患者さんは、心臓や肺に合併症を抱えている方も多いので、そこに対しても専門性を身に付けてアプローチができればと考えています。勉強を重ね、ゆくゆくは呼吸療法認定士や心臓リハビリテーション指導士の資格取得も目指していきたいです。
(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)
セラピスト募集中!
自由にアイデアを出し、実践できる学べる環境、急性期から回復期まで患者さんと長く関わることができる那須北病院で、一緒に働いてみませんか?