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感染管理認定看護師のキャリアを活かして、快い環境をつくる

那須脳神経外科病院 感染管理認定看護師 池澤師長

那須北病院(旧 那須脳神経外科病院)感染管理認定看護師 池澤師長|モットー「快い(こころよい)」

看護師歴は約40年。救急、手術室、療養病棟で勤務し、介護支援専門員やピアカウンセラーの研修など、必要に迫られて知識を得た。師長をしていたある時、感染管理について相談を受け、自身の知識・技術不足を感じ、そこから勉強を続けて感染管理認定看護師の資格を取得。2021年4月に那須北病院(旧 那須脳神経外科病院)に入職し、感染管理・医療安全の責任者を務める。

▼目次
感染管理のプロとしての役割

看護師として大切にしていること
那須北病院の魅力

感染管理のプロとしての役割

― 感染管理は「スタッフ教育」

感染管理というのは、これまでの看護師業務のように「患者さんに視点を合わせる」という立場とは異なり、「スタッフ教育」が主な役割です。“看護師だから看護職にだけ”というわけではなく、医師をはじめ看護師以外のコメディカル、病院に関わる職員全員への周知と教育を行います。
院内周知を図る上で、一方通行なコミュニケーションにならないように各部署との関係調整を行うなど、地道に教育を進めていきます。感染管理者が実施まで責任を負いますので、例えばマスクひとつ付けるにしても正しい付け方・外し方というものをマニュアルに落とし込んで、全部署でしっかり実施をしてもらえるように働きかけます。そして、実践できているかどうか現場を自らラウンドし、直接自分の目で確かめてフィードバックをしていきます。病院内でも多くの部署、関係者の方々と関わりながら協力をしていただかないと進まないため、大変難しい業務だと感じています。

―「概念」として教えるのではなく「実践」で教える

近では全国的に新型コロナウイルス感染拡大があったことで、医療安全・感染管理の役割も極めて大きくなりました。
現場では、感染管理・医療安全が徹底された環境というものを「概念」ではなく「実践」で教えることが求められます。現場スタッフたちも「概念・知識」としては理解しているけれども、いざ「実践」となると徹底できないということが起きます。そうした際に「他の病院ではこうだから、自分たちもそうする」では駄目で、他院の情報は参考にしながらも最終的には自分たちの病院が徹底できるやり方を決めなければいけません。認定看護師の面接の際に「知識だけでは駄目」と言われたように、病院全体を俯瞰して病院の隅々まで分かっておかないと、真の感染管理はできないということです。

約13年間、国際医療福祉大学病院で感染管理の専従として勤務してきて、ここ数年のコロナ禍においても職員にアウトブレイクを出さないという実績を残せました。最近では院内での活動だけではなく、看護協会や厚生労働省からの依頼で地域の介護施設等に伺って、感染管理について介入させていただく機会も増えています。

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― リソースナースとして、現場で働くスタッフを支援

那須北病院(旧 那須脳神経外科病院)は開院して30年が経ちますが、古いながらも手入れをしながら適切な診療・療養環境を整備していくことが重要です。入院患者さんの中には寝たきりや嚥下に問題のある高齢者も多いですが、罹りやすいからといって肺炎を発症していいわけではありません。そういった考え方を正し、医療安全・感染管理を強化していくことが今の私の役割です。

これまで感染管理に専従のスタッフがいなかったということで、現場のスタッフたちが私とどう関わり、どう使えばいいかの周知がまだまだできていない状況です。本来は、現場のスタッフたちが自分たちで感染管理の実施・徹底ができるように、私がコンサルテーションを行っていく形が望ましいです。あくまで自分たちでできるようになるために、リソースとして私を使ってもらう状態があるべき姿だと考えています。

看護師として大切にしていること

― 快い環境づくりを目指して

私が看護師として大切にしている考え方は、「快い(こころよい)」ということです。気持ち・気分がいいという意味ですが、自分が病気になった時、大切な人が病気になった時に「この病院で診てもらいたい」と心から思える環境になっているか?そして、患者さんだけでなく働いている自分たちも気持ちいい環境というのを大切にしたいと考えています。

もうひとつは、医療従事者は仕事の特性上「レジリエンス(回復力・弾性)」が求められると考えています。メンタル面で少し落ち込むことがあってもすぐに回復できるしなやかさ。そういったものを職員が身に付けることができれば、患者さんにとっても快い環境を提供できることにつながると考えています。

私の看護師人生を振り返ると、これまでたくさんの勉強や資格取得をすることでさまざまな知識や技術を身に付けてきましたが、そうすることで自分自身のレジリエンスを高めてきたのかもしれません。

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那須北病院の魅力

― 歴史を大切にしつつ、変わっていくことに前向きな環境

那須北病院が今後も長く感染管理・医療安全において適切な環境であり続けるために、まずは今の環境が適切なのかを正しく評価するところからスタートしています。はじめは現場に介入をして指摘をするような形になりますが、各部署の人たちは「伝えたら響く、理解してくれている」と感じています。
歴史のある病院だと、これまでのやり方に固執して新しい人間が何かを言っても実践につながらないことがよくあるのですが、那須北病院の職員たちはきちんと話を聞いて理解してくれていると感じます。今後、病院全体で感染管理を高めていけるよう進めていきたいと考えています。

― 働きやすい環境

看護師として生涯学習していくことは大切なことですが、那須北病院では子育てや家庭と両立しながら働くスタッフも多くおり、時間外を少なくするということが浸透しているように感じます。実際に、大学病院や大きな急性期病院で働いていた若いスタッフがワークライフバランスが取りやすい環境を求めて、U・Iターンで栃木県・那須に来て当院に就職されています。
病院も新しい風を入れながら変わっていっています。これまでの経験や知識を活かしていける環境で、あなたのキャリアを活かしてみませんか?

(写真・インタビュー・文:MottoBrand 福井勝雄)

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